「丸顔で小柄な牧師先生はいいなぁ」
実際に、そんな声が聞こえてきたわけではありません。
でも、わたくし(牧師のもりでございます)が、そんな気持ちになった、古谷正仁(まさよし)先生を神奈川県の蒔田(まいた)教会からお迎えしてから3日経っての一個人の感想です。
ちなみに、わたくしは、背が高めで、ほそおもて(どうやら英語でslender faceと言うようです)です。
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7月30日(土)の午後1時半、岡山駅の新幹線改札口でお迎えした古谷先生。
もしや、お疲れかも、と心配いたしましたが杞憂に終わりました。
何しろ、旭東教会での翌日曜日午後3時過ぎ迄のご奉仕を終えてから、こういう会話があったのです。
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「古谷先生。これからの予定を考えますと、まず、昨日お話した通り、教会から10分のショッピングモールでお土産を買いに行きます。続いて、今、桃が届いたので、古谷先生に持って帰って頂きたい、という電話も入りましたので、Wさんのお宅に寄ります。それから、せっかく岡山にお出でになったのですから、日本の名園のひとつ〈後楽園〉にご案内する・・・・・・となりますと、新幹線・のぞみ号に乗るのは18時半頃かと思います。夏の陽射しは強いです。お疲れでしょうからご無理せずに、岡山駅に直行というのもありですが・・・・・・」
古谷先生「大丈夫だよねぇ」
直美さん「うん」
仲が良く、呼吸もピッタリ合った古谷先生と直美さんご夫妻。以上がすべてでした。
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疲れのかけらも見せずとは言え、わたしが運転する移動中の車内でコクリコクリ。でも7分ほどで完全復活された古谷先生。
後楽園でも案内表示版の前で立ち止まってはしばし読み込み、さらには、カメラを取り出してはスナップ写真の撮影を繰り返されました。この好奇心こそ元気の源かも知れません。
月曜日には、さっそく、神学校に出掛けられ、あれこれと仕事をなさったとのこと。「やりたかったことの半分くらいですが神学校で仕事をしました」と元気にお過ごしの様子が伝わって来るご連絡を下さいました。
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教会が元気に信仰を継承して行くためには何が必要なのか。
共に育つ教会とはどういうものなのか。
わたしたち旭東教会が今もこれからもコツコツと何に取り組んで行けば良いのだろうか、という課題を考える切っ掛けをと願う二日間であり、準備期間でした。
たぶん、このような古谷先生のひと言が、皆さんの心に残っているのではないかと思います。
「午後の集会まで残っている皆さんに、今、教会が楽しいですか? なんてお聞きするのが野暮、というものかも知れません・・・・・・、一人ひとりが、生き生きと生きることに尽きます」
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現状を肯定して下さり、安心を頂きました。
「旭東教会の賛美は素晴らしい!」というお褒めの言葉も、ますます、我らの礼拝賛美を豊かにしてくれるものだと思います。
「わたしが(母教会でもある蒔田)教会の主日礼拝に初めて出席した時のことです。年配の方々がそれはそれは大きな声で、かつ真剣に主の祈りを祈っている姿に圧倒されました。これはおかしい。何か裏があるに違いない、と思っていたら半年後に受洗していたのです」
これも古谷先生からの単純素朴な励ましです。
そうか、主の祈りを声を揃えて真剣に祈っている姿こそ、伝道の原点になりうるのだと確信しました。
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ふだんの古谷先生。牧会されている蒔田教会の礼拝では、前任の主任牧師である故・今橋朗先生がそうなさっていたように、日本語の説教の後に、英語でその要約を語り直す事情があります。
海外の方々、海員キリスト者との宣教協約の兼ね合いもあって多くの方々が来会されるからです。最近は減ってきたとは言われていましたが。
ですから、日頃は説教を英語で語ることを前提に準備するのだけれど、旭東教会ではそれから解放されてお話できるのでほっとしています、と仰っていました。
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明らかに激務の日々をお過ごしの古谷先生。
新幹線のぞみ号を新横浜で降りて、ご自宅に戻られてからすぐ、こんなメールを下さいました。
【本当にお世話になり、有難うございました。今、帰宅しました。旭東教会は、私たちにとって、癒しの郷でした。ご配慮の数々に、心から感謝しています。】
これもまた、旭東教会のこれからを力づけてくれるメッセージに他なりません。
お迎えした旭東教会の一同が、それぞれの賜物を活かし、先生を歓迎しつつ共に学ぶ機会を創って行ったこと。
実にそのこと自体が、実は、今回のもっとも大きな収穫かも知れないからです。
そうかぁ、旭東教会は癒しの郷になれるのだ、と気づかされました。感謝です。
自信を持とう旭東教会!と感じます。
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歓迎昼食会の準備が女性陣を中心に教会の台所で進んでいる頃。
わたくしはと言いますと、さしたる掃除もしていない、普段のままの牧師館の居間にご夫妻をご案内していました。
「先生、隠退したら珈琲店の主人になりたいわたくし森なんです。エメラルドマウンテンベースでマンデリンを少しブレンドして豆を挽く所から珈琲を煎れますので、是非、礼拝前に召しあがって下さい」
なんて言うおくつろぎの時間もありました。先生、珈琲が大好きで、若い頃は渋谷の珈琲の名店で1年ほどアルバイトされていたとのこと。少し緊張しました。
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岡山から重い手土産を持たせては大変ということで、旭東教会からの感謝として、「ピオーネ・シャインマスカット」という岡山特産のぶどうの詰め合わせをお贈りしました。古谷先生、飛び上がらんばかりに喜んでおられる様子のメールが入りましたが、会員の皆さまが召しあがる程の数はありません。おゆるしを。
いつかまた、信仰の歩みが深まった旭東教会にお招きし、今度は、倉敷の歴史あるたたずまいや、瀬戸大橋訪問もゆっくりとご案内したいものです。
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わたしたち旭東教会。尽きせぬ恵みが宿りましたので、ボチボチ、時にシャキッとしながら歩んでまいります。
古谷正仁先生、直美さん。そして蒔田教会の皆さま、伝道師の縣洋一先生(奇遇にも、神学生当時に稚内にお迎えした方です)。この度は本当にありがとうございました。end