2016年4月3日(日) № 59 『  〈アナムネーシス〉何がこころに宿るのか  』

2016年4月3日、ジュニアサークルの礼拝の風景です。直ちゃんとお母さん、光代さんのメッセージにこころ傾けています。紙芝居はエマオ途上の旅人とイエスさまのパン裂きの場面。
2016年4月3日、ジュニアサークルの礼拝の風景です。直ちゃんとお母さん、光代さんのメッセージにこころ傾けています。紙芝居はエマオ途上の旅人とイエスさまのパン裂きの場面。

 

神学校の最終学年の夏。

 

もう24年前になりますが、担任のO先生のご配慮によって、日本キリスト教団の、とある地区に同級生がいっせいに派遣されて、礼拝説教をさせて頂いたことがありました。

 

その時、O教会で説教をした友人がこのように皆に報告してくれたことを忘れられません。

 

「説教をし始めるとすぐに、教会の皆さんが筆記用具を手にして、メモを取り始めた」と。

 

わたしも(牧師のもりでございます)若い頃に講壇から語られる牧師のメッセージを週報にメモしたものです。

 

しかし、ほとんど読み直した覚えがありません。皆さんはいかがでしょう。

 

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さて、2016年度の始まりの日曜日となった4月3日。

 

子どもたちを中心とした礼拝が9時ピッタリに始まりました。場所は歴史ある旭東教会の美しい礼拝堂です。

 

その日の説教の担当は光代さん。

 

ルカによる福音書23章のエマオ途上の旅人の箇所からのメッセージでした。

 

紙芝居を読んで下さったり、藤城清治さんの美しいカードを使って語って下さいました。空気が澄んでるなぁと感じた清い時間でした。はい。

 

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この日の礼拝。

 

子どもは小学校1年生の少年・直ちゃん一人。他には、直ちゃんのお母さん、そして、スタッフが4名と92歳の正さんも参加。

 

子どもが少なくても、礼拝は大事にしようということで、楽しく賛美し、祈りを合わせます。

 

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直ちゃん。

 

いつものように、一生懸命に聖書を輪読し、大きな声でさんびしていました。

 

そして、紙芝居が始まると、グーッとその世界に入って聴き入っている様子。

 

その集中力といったら大人が見倣わなければならないなぁ、といつも感じるのです。その純真さは天性のもの。いえいえ、神さまからの賜物です。本当に素晴らしい!

 

時々、ホームページで直ちゃんの姿が見えますが、いつも感動します。

 

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礼拝が終わってから集会室に移動して分級がありました。

 

光代さんが「直ちゃん、今日の紙芝居の中で、どの絵が一番すきやったかなぁ(あるいは、こころに残ったかなぁ)」と質問。

 

すると直ちゃん、迷うことなく指さしたのが、今回のブログの大写しの写真の絵だったのです。

 

そう。

 

イエスさまと二人の旅人が宿屋に入って、夕飯を一緒にとろうとしたその時に行われた、イエスさまによる〈パン裂き〉の場面でした。直後に、目の前に居られたはずのイエスさまが見えなくなる、あの場面です。

 

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〈アナムネーシス〉という言葉があります。

 

「想起する」という意味の語です。

 

アナムネーシスはギリシア語ですが、信仰生活の中でとっても大事なことだと教えられてきましたし、わたしもそう信じています。

 

わたくし、聖餐式が行われる礼拝でパン裂きをします。

 

もしもその場面を、お母さんと一緒に礼拝に残っている直ちゃんが見掛けたら、「あっ、光代さんがしてくれた紙芝居といっしょ」と思い起こすのではないか、と想像します。

 

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直ちゃんのみならずですが、子どもたちが礼拝に出ていて、メモを取る姿を見たことがありません。

 

でも、子どもたちの、やわらかな心の中のスケッチブックには、神さまの恵みの出来事が描かれるのですね。

 

光代さんはその後、「じゃあ、この紙芝居の絵を写して、パズルを作ってよ、直ちゃん」とお願いしていました。

 

直ちゃん、大喜びです。

 

これまた熱中して紙芝居を一生懸命に写し、その後、光代さんがバラバラになったパズルで苦戦する様子を楽しそうに見ていました。

 

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わたしたちは、主イエスによる福音の出来事をどんな形で指し示すことが出来て、分かち合うことが出来るのか。

楽しみなチャレンジであり、とても奥深い恵みだと感じます。

 

どうぞ、大人の皆さんも、旭東教会の朝9時からの礼拝に気楽にご参加下さい。

 

おだやかで、とーってもこころ豊かな朝となること、お約束いたします。end

 


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